刺繍布づくり
私たち「ムートームー」がヤオ族の女性たちに刺しゅう布を注文して日本で手にするまでに様々な人たちが関わっています。その大まかな流れは次のようになっていて、人やグループ間の連絡やコーディネイトを「バーントーファングループ」がしてくれています。
~制作依頼から完成まで~
- ●布の生産者であるノイさんへ、色を指定して布を発注
- ●出来上がった布を裁断し、刺しゅうをする場所に印をつける
- ●布と刺しゅう糸を3つのヤオ族の村に持って行き、柄を指定し、刺しゅうを依頼
- ●刺しゅう布を受け取り、検品して支払い、ムートームーに発送
バーントーファン Baan Tho fan ※タイ語で「夢を織る家」
ムートームーが販売しているヤオ刺しゅう布は、バーントーファン(BTF)に発注しています。BTFは、タイ北部パヤオ県チェンカムで、山岳少数民族ヤオ族の伝統刺繍をあしらったポーチやバッグなどを製作販売している小さなグループです。
1980年代の終わり、性産業に送り込まれる少女たちに教育の機会を促進するために始められたプロジェクトの一環として誕生しました。そこで洋裁訓練を受けた少女たちが1995年に独立し、現在に至っています。
2000年1月には、AWEP(アジア女性自立プロジェクト)の支援を得て作業所を建設。2003年には政府が進めるOTOP(一区一品運動)製品のひとつに選ばれました。2010年にはパヤオ県より「地域産品、布部門登録商標」の認可も受けています。
縫製技術は高く、運営も安定し、製品に対する信頼も得られていますが、近年様々な理由でメンバーが減ってしまい新しい人材育成が課題となっています。
BTFの製品は、特活)アジア女性自立プロジェクトで購入できます。(https://tcc117.jp/awep/)
布の生産者 ノイ (チェンライ県メースーワイ郡ノンブアスーワイ村)
綿糸をチェンマイで仕入れ(中国製)、草木で染める。主に使う染色の材料は、
●藍
●プラドゥ(アンサナ):赤茶色
●サダオ(インドセンダン):緑色
●カヌン(ジャックフルーツ):黄褐色
●アンチャン(チョウマメ):青
●ラック(カイガラムシ):赤
などですが、夫が亡くなって以来、森へ行くことができなくなり、身近にあるもので染めています。また、近年、赤い染料の元になるラックはほとんどとれなくなっています。
脱色を防ぐために化学染料も少し使いますが、何度も染料につけては干しを繰り返して、糸は段々濃い色に染まっていきます。手染めなので全く同じ色に染めるということは出来ません。染めあがった糸を織機にかけて織り、草木染手織り布が完成します。
刺しゅうグループ
●パヤオ県チェンカム郡タム村
●パヤオ県チェンカム郡ソプトゥ村
●パヤオ県チェンカム郡パーデーンラーン村
元々BTFの製品の中で刺しゅうを担当していたグループです。以前は50名くらいのメンバーがいましたが、段々少なくなり、20~30名になっています。山間で陸稲、ラムヤイ(竜眼)、トウモロコシなどを栽培しながら、時間を見つけては刺しゅうをしています。